2015.9.3
全日本ラリー選手権 第6戦 モントレー2015in嬬恋
2015.8.28-30 イベントレポート
8月28日(金)~30日(日)に開催された、
全日本ラリー選手権 第6戦 モントレー2015in嬬恋
PLUMレーシングチーム、全日本ラリー4戦目の模様をレポート致します。
久万高原ラリーで全損してしまった諏訪姫86は、6月の若狭ラリーを終え、武藤工業株式会社様にて元のデザインラッピングをして頂きました。
今大会では、2013年の全日本ラリー選手権JN-3(現JN-5)クラスのシリーズ優勝を果たした、松本市在住の横尾芳則選手をドライバーに迎え、初優勝を目指し、モントレー嬬恋に挑みます。
また、昨年諏訪姫86でモントレーも出場して頂いた、群馬県出身の戸塚選手も全日本ラリー選手権に「TOYOTA Vitz」で挑戦します。
今回のレポートは、横尾芳則選手の解説付きでお送りいたします。
≪コース概要≫
路面 ターマック&グラベル
総走行距離 287.045km
SS総距離 65.908km
SS数 17本
クラス JN-4 (エントリー数:8台)
ゼッケンNo.39
諏訪姫PLUMレーシングBS86
ドライバー 横尾芳則 選手
コ・ドライバー 渡邉晴子 選手
クラス JN-3 (エントリー数:7台)
ゼッケンNo.45
PLUM AKR KUMHO Vitz
ドライバー 戸塚和幸 選手
コ・ドライバー 木村悟士 選手
8/29(土)DAY1
天気:雨 気温:14℃~17℃
9:30 スタート
金曜日のレッキから雨が降り続き、DAY1もあいにくのウエットコンディションでのスタートとなりました。
SS1 モントレー最長 7km「パノラマ」
横尾選手・渡邉選手の諏訪姫86、戸塚選手・木村選手のVitz共に、
なんとクラスベストタイムを獲得!
≪横尾選手コメント≫
雨が多少小降りになったものの路面は完全ウェット。
コーナーすべてが3速から6速で駆け抜けるハイスピードコースだ。
マシンのコントロールを失えば無傷では済まない。
マシンの感触を確かめながら慎重に攻めた。
今回初めて組んだコドライバーの渡辺さんもしっかりペースノートを読んでくれて、ゴール後オフィシャルから「ベストタイム!」の声。
少し気持ちが楽になった。
SS2 5.4㎞「三原門貝」
横尾・渡邉選手 諏訪姫86はクラスベストを獲得。
≪横尾選手コメント≫
スタートしてしばらく急登の低速コーナーが続き、登りきると後半道幅が広がりハイスピードになるコース。
ドライバーもコドライバーもリズムが掴みづらい。
所々ガードレールが無くインカットする為にコーナー一面に路肩の泥が出る。
ルーズな路面に翻弄されながらゴール。
大量のリードを築き2輪駆動ではトップタイム。
SS3 5.3㎞「大前須坂下り」
≪横尾選手コメント≫
このコースはサービスパークに直結しているハイスピードコース。
下り方向は1度しか使わないのだが、自分たちのペースノートの精度が試されるだろう。
気合を入れてスタート。
しかし最初のコーナーでガードレールをへし折ってリタイヤしている車両を発見。
ベテランドライバーのまさかのリタイヤを目の当たりにして僕の心も折れてしまった。
結果クラス6番手タイム。気持ちを切り替え次のSSへ。
SS4 ギャラリーステージ「パルコール」
SS4終了時点で、諏訪姫86はクラス総合1位、Vitzはクラス総合3位。
≪横尾選手コメント≫
まだ序盤なのでギャラリーサービスは控えタイヤを温存。
無難?に走り3番手タイム。
サービスAイン
諏訪姫86、Vitz共に、無事サービスへ戻ってきました。
≪横尾選手コメント≫
最初のサービスを受け、サービスクルーに現状を報告。
マシンの状態は非常に良く、とても良い展開。
RE-71Rのグリップも素晴らしくウェットのルーズなコースを安心して攻める事ができた。
しかし、まだ序盤で難しいコンデイションなので気が抜けない。
SS5 7㎞「パノラマ」
大会最長・最速のストレート区間がある「パノラマ」コースです!
≪横尾選手コメント≫
スタート付近は路面も乾き始めていたので前半にタイヤに熱をしっかり入れることが出来たので、中盤セミウェットだったが安心して攻めることが出来た。ベスト。
SS6 三原門貝
≪横尾選手コメント≫
SS2の時点で路面がかなり荒れていたので更に路面が荒れている事が想像できる。
しかし攻めなければ大きく負ける事も想像できる。
途中リタイヤ車もあり、気の抜けない路面だったが後続にトータル17秒の大量リードを築く事に成功。
SS7・SS9の「大前須坂上り」でも、共にクラスベストを獲得しました。
悪路の中、総合でも上位に食い込むなど、トップドライバーの意地を見せます。
サービスパーク隣の駐車場では、ブース出店を行いました。
雨にも関わらず、多くのお客様にご来場いただきました。
企業スポンサー様の諏訪のお土産品、観光パンフレットも好評でした!
SS10 ギャラリーステージ「パルコール」
DAY1すべてのSSを終え、車両と選手たちが無事戻ってきました。
DAY1終了時点で、横尾・渡邉選手 諏訪姫86はJN-4クラス 総合1位。
2位との差は30秒。
DAY1終了をクラス1位通過することができ、PLUMレーシングチーム、初の快挙です!
このまま差を縮められないよう、初優勝を目指します。
戸塚・木村選手 Vitzは、JN-3クラス2位。トップとの差は約10秒。
まだまだ挽回できる可能性はあります!
諏訪姫86、Vitz共にクラス優勝を目指し、翌日に向け本日最後の調整を行います。
諏訪姫86は、ブレーキのエア抜きを行いました。
8/30(日)DAY2
天気:雨 気温:15℃
8:00 スタート
2日目も予報通りの雨。
朝からパルコール会場は濃霧に包まれました。
サービスでは、諏訪姫86はフロントタイヤを2本交換しました。
SS11~SS15(SS14は雨の影響でキャンセル)
横尾・渡邉選手 諏訪姫86は、SS11桟敷、SS12群馬坂、SS13あさまでは、クラスベストを獲得。
SS11 5㎞「桟敷」
今年初めてモントレーに追加された、ハイスピードなダウンヒルSS。
≪横尾選手コメント≫
スタート付近に到着したが競技が中断しており、何か起こった様だ。
オフィシャルからリタイヤ車がコースを塞ぎ排除を試みてるらしい。
ヘルメットも被っていたので集中力を切らさぬ様、そのまま続行の指示を待つ事に。
15分後に続行の指示がありスタート。
心配した霧も大した事なくゴール。ベストタイム!
SS12「群馬坂」
≪横尾選手コメント≫
前半のダートセクションでマシンコントロールに苦労したが何とか走りきった。
連続ベスト!
SS13「あさま」
オールグラベルのコース「あさま」は、連日の雨の影響で、泥や雨水の凄さを写真が物語っています。
≪横尾選手コメント≫
降り続いた雨でダートコースは田んぼ状態。速く走ると言うよりは途中で止まらない様に走るしか無さそうだ。
ヌルっとベストが取れた。SS14浅間はキャンセル。
SS15「パルコールⅣ」
最終SSのゴールまで諦めることなく両車とも、力走を見せます!
≪横尾選手コメント≫
かなり楽な展開になったので少しギャラリーサービスをと、サイド一発!
3番手タイム。
どちらも大きなトラブルもなく、無事完走することが出来ました。
トータル結果は、横尾・渡邉選手 諏訪姫86は
JN-4クラス 優勝!!
PLUMレーシング“初勝利”は、横尾・渡邉選手に勝ち取って頂きました!
全SS16本中、11本もクラスベストを取り、初めての優勝にチームメンバーも鳥肌が立ちました。
横尾選手、渡邉選手 ありがとうございました!!
そして戸塚・木村選手 Vitzは
JN-3クラス 第3位!
表彰台に乗ることができました!
戸塚選手・木村選手 ありがとうございました!
スポンサーの皆様、
会場に応援に来てくださったファンの皆様、
写真をご提供いただきました皆様、
暖かい応援、本当にありがとうございました。
これからも、チーム一丸となって元気いっぱい走り続けますので、変わらぬ熱いご声援を宜しくお願い致します。
次戦は、10月16日~18日の岐阜県高山市 ハイランドマスターズ2015です。
クラス優勝を目指し行ってきます!
応援、宜しくお願い致します。
-選手コメント-
諏訪姫PLUMレーシングBS86
ドライバー横尾芳則選手のコメント
あるご縁からPLUMレーシングチームにドライバーとして加えていただいて、迎えた全日本ラリー選手権 群馬ラウンド。
1年半ぶりのラリーで少々不安があったが、事前に入念なテストをする機会をいただき、この時期特有の不安定な気候に合わせ、ギリギリまでマシンセッティングをトライした結果、とても感触の良い状態にマシンを仕上げる事が出来た。
モントレーは全日本屈指のハイスピードコースからテクニカルな狭い林道やダート区間もあり、マシン、タイヤ、クルーにもとても負担が掛かるコースだ。
ラリー当日。覚悟はしていたが昨日から降り続いた雨はあがらずウェットコンディション。
ドライコンディションならブリヂストン新作のRE-05Dで走りたかったが、諏訪姫号のJN-4クラスではタイヤの本数規制が6本なので、DAY2も天候は回復しないと読み、ウェット路面で、より信頼のあるRE-71Rでスタートすることに。
DAY1はハイスピードな「パノラマ」「大前須坂 UP」「大前須坂 DOWN」テクニカルな「三原門貝」ギャラリーステージ「パルコール」で構成される。
(SS1~4 コメント上記記載)
最初のサービスを受け、サービスクルーに現状を報告。
マシンの状態は非常に良く、とても良い展開。
RE-71Rのグリップも素晴らしくウェットのルーズなコースを安心して攻める事ができた。
しかし、まだ序盤で難しいコンデイションなので気が抜けない。
(SS5~6 コメント上記記載)
SS7大前須坂UP、SS8パルコールⅡ、SS9大前須坂UPⅡと連続ベストを奪取し、DAY1最終SS10パルコールⅢをセカンドベストでまとめることができ、結果30秒のリードを獲る事ができた。
総合順位でも12位に入りDAY2のスターティングリストで出走順が前になり有利な状況。
チームのみんなも喜んでくれて一安心。
DAY1.5の宴会も楽しく過ごし、DAY2の為にしっかり体を休める事に。
DAY2朝 雨足は依然収まらず更にリスキーなコンディションだ。
DAY2はフィールドが違うSSになる。コースのキャラクターも違い、霧も出やすい様だ。
DAY1とは違う戦略が必要である。朝一のサービスでフロントタイヤのみ新品に交換して挑む。
SS11、16「桟敷」は狭くて路面にギャップが多く、下り主体のハイスピードなコース。
SS12、17「群馬坂」は前半フラットダートで途中から舗装に切り替わるミックスコースに加え、ダートのギャラリーステージ「浅間」「パルコール」で構成される。
(SS11~15 コメント上記記載)
最終サービスでマシンを整備してもらい、送り出してくれたみんなを見て、必ずトップでみんなの所へ帰って来る事を心に誓い、サービスパークを後にした。
生憎のコンデションだったが無事SS16、17と走りきりトップのままフィニッシュする事ができた。
準備段階からいろいろな人にお世話になり準備を進めることができ、本番中もしっかりとサービスをこなしていただいて、ドライバーとして終始集中する事ができ、諏訪姫号も速く走ってくれました。
ファンの方々や沢山の人に応援していただき、とても嬉しい結果を残す事が出来ました。
PLUMレーシング一丸となって得た初優勝だと思います。
どうもありがとうございました。
コ・ドライバー 渡邉晴子選手のコメント
雨の中応援ありがとうございました!
諏訪姫ハチロクにとっても、私にとっても、初めての優勝でした。
応援してくださった皆さんに、諏訪姫ハチロクの勇姿をお見せすることができて、本当に嬉しかったです。
雨が降ったり、乾いたり、道が川のようになったり、泥と葉っぱが広がっていたり...
グラベル部分も、地面が深く掘れていたり、水でヌタヌタ。
過酷なコンディションの中でしたが、横尾選手操る諏訪姫ハチロクは、全16SS中、11本でベストタイムを奪取。
生き生きと走るハチロク、すごくカッコよかったです!
今季はまだ、2戦残っています。
次につなげられるよう、次戦ハイランドマスターズに向けて、準備を進めます!
引き続き、応援よろしくお願いします。
PLUM AKR KUMHO Vitz
ドライバー戸塚和幸選手のコメント
悔しい~!!
今回は前回の若狭より車の熟成も進み挑みましたがそんなに簡単に勝たせてもらえるほど、全日本!!甘くないです。
1日目は2位で折り返し、2日目勝負に出ましたがそこが裏目に出てしまい順位を落としてしまいました。
今回の全日本は、2日目のタイヤ選択でグラベルタイヤを選択したものが勝てたのではないかと。
それでもラジアルタイヤで3位になれたのは応援して頂いたおかげだと思います。
スポンサー様、ファンの皆様、そしてチームクルーのみんなありがとうございました。
ライバルに負けている気はしません!!最終戦を皆さんとテッペンで喜びたいと思います!!
いや~今回、雨のターマックは怖かった~(笑)
道の上にいるのがやっとでした(汗)
コ・ドライバー木村悟士選手のコメント
応援、サポート頂いた皆様有難うございました。
私達クルーは地元開催の全日本ラリーということもあり気合十分、当然上位入賞狙い!!
予想以上の雨で路面が濡れている状況の中、1日目は2位で折り返し、2日目は1日目以上に豪雨。
サービスクルー、ファンの皆様にサポートいただきましたが3位。皆様の期待にこたえられず申し訳ありません。
ただ一つうれしかったのは、コンマ代で1日目は1位〜3位で競え、17本中ベスト2本。途中1位になることが出来て、追い上げられる立場を経験できた。
戸塚選手は前回の福井戦よりも着実に速さを増していると感じました。
自分にとっては、20年近くラリーを続けていて始めての全日本プディウムだったのでうれしい反面、2位をキープさせることが出来なかった事、更に優勝を狙うことが出来ず悔しい思いです。
福井で4位、群馬で3位、ですので当然、次戦狙うは優勝!!
皆様の引き続きの応援を宜しくお願いいたします。